みなさんはスキー板のメンテナンスをしていますか?
スキー板のメンテナンスで一番大切なのがワックスがけです。ですがそのワックスがけはなかなか機会がないと教わることはないですよね。
今回はそんなワックスがけを知りたい人に向けて、インストラクターをしている私がワックスがけに必要な道具を紹介したいと思います。また、おすすめのワックス道具のリンクも紹介していますので、これからワックスがけをしたいなと思っている方は是非参考にしてみてください。
(本サイトではスキー用品の出品数が多い楽天市場のリンクを紹介しています。)
・ワックスがけに必要な道具がわからない…
・ホットワックス、簡易ワックスって何?
・ワックスがけってそんなに重要なの?
<推定閲覧時間13分>
1.スキー板にとって絶対欠かせないワックス
このサイトをご覧になっている皆さんはワックスについてどれほど知っていますか?
ワックスとはスキー板の滑走面に塗り、スキー板の滑走性を上げたり滑走面を保護するためのものです。
ここでよく生徒さんに「ワックスを塗るのと塗らないのとではどれくらいの差がありますか」と聞かれますが、ワックスを塗らないとスキー板はきれいに滑ってくれないので天と地の差があると思っていただいて大丈夫です。
特にスピードが重視されるアルペンスキーや基礎スキーをされている方でしたらなおさらワックスの存在は無視できません。
またワックスには、それぞれ適した気温や雪温があるため、温かいところで使用するワックスを寒いところで使用したとしてもスキー板はうまく滑ってくれません。
ですのでワックスがけを行う際には気温や雪温に応じたワックスを選んで塗ることになります。
2.スキー板に塗るワックスの種類
ここからはワックスの種類について紹介していきたいと思います。
ワックスには専用のアイロンを使用してワックスを熱で溶かしスキー板に塗るホットワックスと、アイロンなど特別な道具を使用せずに液体を塗るだけでよい簡易ワックスの2種類があります。
ここではそれらのワックスについて簡単に解説しようと思います。
簡易ワックス
簡易ワックスとはスキー板に簡単に塗ることができる簡易型のワックスになります。
この簡易ワックスの最大のメリットはワックスがけに時間がかからないことや場所や道具を必要としないことが挙げられます。
一方で簡易ワックスの最大のデメリットはホットワックスに比べると滑走性が落ちてしまうということです。
ホットワックスは道具や知識が必要なのに対して、簡易ワックスは専用のワックスを買っていしまえばあとは塗るだけですので、スキー初心者にはお勧めのワックスがけになります。
ホットワックス
ホットワックスとは専用のアイロンを使用して固形ワックスを溶かし、スキー板に塗る方法になります。
ホットワックスはワックスを塗った後にスクレーパーと呼ばれるもので余分なワックスを落とし、最後にはブラシを使用して滑走面をきれいにします。
このことからわかるようにホットワックスは簡易ワックスを使用する方法に比べて手間も時間もかかってしまいます。
しかしこの方法はワックスをスキー板にうまく浸透させることができるため滑走性がとても上がります。
簡易ワックスを使用するのもいいですが、中級者や上級者を目指す方はホットワックスを自分でできるようにしておくことが必要です。
3.ホットワックスで必要な道具一覧
ここからはそんなホットワックスで必要になる道具を紹介していきたいと思います。
※わかりやすい紹介のためGALLIUMのワックス道具が多く例に挙げられていますが、どれも紹介料をいただいているわけではありません。
ワックス用アイロン
まずワックスがけで必要なのがアイロンになります。
アイロンは固形ワックスを熱で溶かし、スキー板の表面に塗る時に使用します。
形は洋服のしわを伸ばすのに使用される一般的なアイロンと似ています。代表的なメーカーはGALLIUMやスウィックスなどがあります。
値段はアイロンの性能にもよりますが10000円以内で購入することができるものがほとんどです。
私はスキーを始めてからずっとGALLIUMというメーカーのアイロンを使用していますが数年使用しても壊れませんし、値段も安いものがほとんどです。
これからワックスがけに挑戦したいという人から、ワックスがけを頻繁に行っている人まで多くの人にオススメできるアイロンになります。
GALLIUMはスキーワックス業界ではとても有名で日本のメーカーなので信頼性も高いです。
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固形ワックス
固形ワックスには気温や雪温に応じた様々な種類があります。
またワックスにはベースワックスと滑走ワックスの2種類があります。
(※ここでは話がややこしくなるのでベースワックスを塗ってから滑走ワックスを塗るものだと覚えてもらって大丈夫です。)
ワックスはメーカーによって様々ですので自分の気に入ったところのメーカーさんを選ぶようにしましょう。
王道は先ほどでも紹介したGALLIUMのワックスです。
滑る時の気温や雪温によってワックスは変えていくものですが、GALLIUMの固形ワックスでしたら最初は紫色のパープルを購入するようにしましょう。
GALLIUMのワックスのパープルは適性温度がー4度から+3度ですのでほとんどのシーンで使用できます。
またGALLIUM以外でもTOKOやスウィックスもワックスを販売しています。
慣れてきたらほかのメーカーのワックスを使用するといいですが、最初はパッケージで適性温度が分かりやすいGALLIUMのワックスがおすすめです。
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スクレーパー
スクレーパーはワックスを塗った後余分なワックスをはがすために使用します。
正直に言うとスクレーパーはどのメーカーのものを使用してもほとんど変わりません。
ただ使用しているとスクレーパーの角が丸まってくるので、スクレーパー専用の研ぐ道具を購入するなり、その都度新しいスクレーパーを購入するなりの工夫が必要です。
ブラシ
ブラシはスクレーパーで余分なワックスを落とした後に滑走面を仕上げるために使用します。
ブラシにはナイロンブラシや馬毛ブラシ、ブロンズブラシなど様々な種類があります。
<ブロンズブラシ>滑走面の汚れを取る際に使用する
<ナイロンブラシ・馬毛>スクレーパーを使用した後に滑走面の仕上げで使用する
ブラシのお勧めはスウィックスのブラシになります。私個人の意見ですが、ほかのメーカーのものに比べてブラシが握りやすく、毛量も多いのでスキー板に負荷をかけずきれいな仕上がりになると思います。
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購入するのに自信がない方はセットで購入することもできます。
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ワクシングペーパー
ワクシングペーパーとはアイロンでワックスを伸ばす際に、アイロンとスキー板の間に挟むペーパーのことです。
これをすることによってスキー板にまんべんなくワックスを伸ばすことができます。
これは必需品ではないので必ずしも購入しないといけないものではありませんが、ワクシングペーパーを使用すると均一にワックスが塗れるので余裕のある方は購入をおすすめします。
ファイバーテックス
これはブラシをした後にブラシでは取り除くことができない滑走面についたごみをとったり、ワックスがけ前の滑走面の下地を作るのに使用します。
ファイバーテックスはブロンズブラシをかけた後に使用するものと、仕上げの最後に使用するものの2種類があります。
セットで売られているものがあるのでそれを購入するのがおすすめです。
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・リムーバー、汚れ落とし
リムーバー(汚れ落とし)はワックスがけを行う前にスキー板滑走面にあるよごれを取り除くために使用する道具です。
・ワックス台(チューンナップテーブル)
チューンナップテーブルはワックスがけを行うのに必要な台になります。
しかしスキー用のチューンナップテーブルは値段が高く購入しずらいのでホームセンターなどで販売している作業台を使用してもいいでしょう。
また場合によっては手作りでも大丈夫です笑
一応ここではスキー用のチューンナップテーブルと、その代わりにもなる作業台の商品リンクを紹介しますのでよく検討してから購入してください。
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・バイス
バイスはワックス台とスキー板を固定する道具になります。
これはワックスがけに必要不可欠なので購入するようにしましょう。
またワックス台(チューンナップテーブル)によってはバイスが不要なものがあります。例えば下のような商品ではバイスをつけなくてもスキー板はビンディングが引っかかることで固定することができます。
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ですのでお金に余裕のない方や、安く済ませたい方はこちらの台を購入し、バイスは買わないようにしましょう。
・手袋
・エプロン
4.安く済ませるならとりあえずこれを買えばいい!
ここまでワックスがけに必要な道具を一通り紹介してきましたが、必ず必要じゃないモノもあって結局どれを購入すればいいのかわからない方もいらっしゃると思います。
スキー用品は値段が高いモノばかりですので安く済ませれるのでしたらそれに越したことはないですよね。
いっきに下記で紹介したいと思います。上で紹介したものを参考にご覧になってください。
・スキーアイロン
・ワックス(GALLIUMならとりあえずパープル)
・ブロンズブラシ
・ナイロンブラシ
・馬毛ブラシ
・汚れ落とし
・ファイバーテックス
・チューンナップテーブル(バイス不要のX型)
5.最後に
いかがでしたか。
初めてワックスがけに挑戦する人にとっては難しい説明だったかもしれません。しかし、ここで紹介した道具があればスキー板にワックスをかけることができます。
1からすべてに商品を購入するとなるととんでもない値段になってしまいます。
値段を抑えて購入する工夫はここで紹介したこと以外にもたくさんあるので、インストラクターや身近なスキー友達に聞いてみるといいでしょう。
ワックスのかけ方については後日記事を書きますのでそちらもチェックしていただけたら嬉しいです。
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